大陸港町から、ひのもとの古都へ
みなさま、はじめまして
九間堂は日本の古都・京都市二条・堀川界隈(旧都城域)を拠点に活動する美術工芸店です。
現在、世界屈指の美的・技術的価値をもつ中国骨董のほか、アジア各地・各時代の古物や宝玉類等の品物を扱っております(陶磁器・青銅器・玉器・瑪瑙細工・竹彫品・木彫品・古代ガラス・蜻蛉玉等)。
現店主で代表の九間堂亭主は、京都から海を隔てた北西約 1700km の場所にある、中国華北の歴史的港湾都市・天津(現地呼称 ティエンジン・Tiān-jīn)の出身です。そこで生まれ育ち、青年期以降、古美術商として同地に店舗を構え、活動してまいりました。
その後、偶々訪れた日本、特に京都の街と、そこにお住まいの方々や、その社会・文化に魅了され、2010 年代後半に一家挙げて拠点を移す決断をし、現在に至ります。
九間堂は、正確な価値判断に基づく適正な商いを常に志向しております。それには、その価値観を共有できる方が多く住まわれる日本での活動が最も相応しいと判断しました。
優れた古物・工芸の価値を解り、大切にして頂く方々にこそ、本当に良い品物を届けたい――。
それが、自らも古物・工芸を愛する九間堂の願いであり、日本社会に根を下ろして活動させていただく原動力となっております。
どうか皆さま、そんな古都京都の新進企業、九間堂をよろしくお願いいたします。
和室がある九間堂の前身店・偶然堂店内(中国天津市内)
大陸由来&日本生まれ
日本の皆さまには少々謎めいた印象を持たれるかもしれない「九間堂」という店名は、九間堂亭主の命名による弊店・弊社独自の屋号です。
それは、亭主が日本での会社設立時に名づけたもので、日本での活動のために心機一転的 に用意した、日本生まれの屋号であります。
その由来ですが、「九間」という語は、亭主の生まれ故郷・中国の全土を表わす古い雅称「華夏九州」の「九州」より採られております。
ここでいう「九州」とは、皆さまお馴染みの西日本の地域名ではなく、古代中国の地を構成した九つの州(くに。地域のこと)を指します。それは中国全体、転じて広い範囲のことも意味し、広く世界で活動したいと願う、亭主の志が込められています。その「州」にかえて、区切られた場所を意味する同義的な「間」の字を当てました。
また、「九」という漢数字自体が、中国で古くから尊ばれる陽数(奇数)のうち最大の数のため、縁起が良いとされていることや、何より、亭主の旧暦誕生日が 9 月 9 日(重陽節・重陽の節句)であることも意識されています。
そして、来日当初の参観で亭主が深く感銘を受けた、京都の名刹・三十三間堂への感動や敬愛の念も含まれているのです。
室内に飾られる和漢の古物(京都・九間堂客間)